リスクマネジメント
今ホットな話題。リスクマネジメント。
リスクマネジメントって奴は…
結構難しいです。
分野によっても考え方は様々です。
障がい福祉分野のリスクマネジメントについてですが、
そもそもリスクとはどう捉えていますか?
リスクの考え方は色々あるかと思いますが、決して忘れていけないのが、リスクは事業所のリスクのみを考えるのではなく、利用者のリスクもきちんと考えること。
利用者のリスクマネジメントをすることが安心・安全な支援へとつながり、ひいては事業所・法人のリスクマネジメントにもつながります。
まずここは押さえてほしいです。支援者なら。利用者を置き去りにしたリスクなど、マネジメントでも何でもありません。
まだまだ障がい福祉分野の人権擁護やリスクマネジメントは浸透していないので、勘違いしている人もいます。
例えば、ハサミで前髪を切ってしまった利用者(児童)がいました。
その事例に対し、全ての児童に対してハサミを使わせない、ハサミは職員だけが使うように
と指示されことがありました。
はい?ハサミを使わせない?
それは…支援ではなく管理ですね。
ハサミを使って前髪を切ったら、
あららおかしな髪型になっちゃったねぇ。変なの。もうしない方がいいじゃない?と教えてあげて、安全に使えるようにハサミ使用時には職員が一緒に付いて正しい使い方を教えるとか。
支援ってそういうことでしょ。私たちは指示を無視して支援を続けていますが、その利用者はもうほぼほぼ安全にハサミを使えるようになっています。
この時のリスクについて
①ハサミを使わせないようにする→安全でケガや事故が起きない→事業所に苦情が来ない→事業所のリスクマネジメント??
②ハサミを使い続ける。職員と一緒に、安全に使えるようになるまで。練習を繰り返す→ハサミへの執着もなくなり(当初指示通りにハサミを使わせない環境にしたらハサミへの強いこだわり・執着が見られました)→徐々に職員も離れたところからの見守りで大丈夫になる→ハサミの使い方を習得する→大人になってからハサミの使い方が分からず大きな怪我や事故を自分や他者にさせるリスクが軽減する→長い目で見た利用者視点のリスクマネジメント→事業所のリスクマネジメントにもつながる
上記をどう考えるかは皆さんにお任せします
さて二つ目の事例
利用者(児童)を公園に連れて行くかどうか?
①公園には連れて行かない。外出した時の利用者の様子も分からないのに連れて行けない→怪我や事故のリスクがあるから公園には行かない→怪我や事故はない→リスクマネジメント?
②公園に連れて行く。外出した時の利用者の様子が分からない?だって行ってみなきゃいつまでたっても分からないじゃん。→飛び出しがある利用者や配慮が必要な利用者には必ず職員が付いて公園に行く→転んで怪我したり、ブランコの順番が待てずトラブルになる。地域住民が使っている砂場玩具を奪ってしまいトラブルになることも→失敗を繰り返しながらも社会のルールを体験する。どうしたら怪我につながるか分かる→大人になった時にはある程度ルールや危険予測を出来るようになる→利用者視点のリスクマネジメント
どう感じますか?
①をやることは簡単です。ただ管理しているだけだから。謝罪することもなく楽チン。苦情もなく事業所としてはバンザイ。けどね、私はそれを支援とは思わない。
②には長い期間が必要だし、痛みを伴います。利用者にとっても支援者にとっても、謝罪する機会も多いし、苦情だって時にはあるでしょう。でもね、利用者の失敗する・ケンカする権利・機会を保障しています。
どちらがいいのかなんて、すぐに答えは出ませんし、支援者ごとの価値観が反映されることでしょう。
支援と一緒で、きっと正解はないでしょうね。
ただね、自分(支援者自身)を守るためのリスクマネジメント(そんな人支援者じゃないか)や、事業所を守ることだけを考えたリスクマネジメントは避けてください。
必ず利用者視点から考えたリスクマネジメントを心掛けてほしいです。
利用者を考えたリスクマネジメントなら、きっと事業所のリスクマネジメントにもつながるはず。だって、利用者にサービスを提供する・支援をするためにある事業所でしょ。
まさか売上げのためだけの事業所じゃないですよね…
リスクを軽減するには、利用者も支援者も一時的にリスクを背負わないといけないこともある それがリスクマネジメントです。
完璧にリスクを皆無にすることは出来ないだろうし、それはリスクマネジメントとは言わないのでは?
色々な価値観があっていいのです。
正解なんてないのです。
ただね、
管理じゃなくて支援する
そのプライドは持ち続けたいな
そのうちリスクマネージャーに怒られるというリスクに怯える今日この頃
↑ハロウィンですね〜
どうせ怯えるならリスクマネージャーよりオバケの方がいいなぁ